彼は、埼玉北部/熊谷のヒップホップ・シーンでは言わずと知れた人物だ。1994年からDJとして活動を開始し、ビートメイカーとして初期の舐達麻や、熊谷の重鎮TIPをはじめ地元のラッパーたちに楽曲を提供してきた。 ここで思い出す記憶がある。僕がちょっと前に舐達麻のメンバーに彼らの地元を案内してもらったときのことだ。最終地点の彼らの秘密基地では、アンビエントやニューエイジのようなノンビートの音楽が、その場の時間をスロウにするように漂っていた。ああ、舐達麻の芸術の背景には、こうした豊かな音楽との付き合い方や時間の流れがあるのかとただただ感心したものだ。 Harji-ProfessorのMIXCDを聴くと、同様の感慨を抱く。 その土地には、その土地が育んだ美意識や時間感覚が根付き、受け継がれている。それは、時流に惑わされない独自の創造性を獲得するための必須条件にちがいない。 この『REDIAL -Just me and you-』は、そのことを伝えているという意味でも貴重な作品と言えよう。